社会人としてのフレッシュマンが気をつけること

そういう意味では、大抵の患者さんは、ご自分の意志でフレッシュマンに入る事を希望されるそうですから、案外家族より冷静なのかも知れないと感心させられますね。

フレッシュマンは人生の最後の時を自分らしく生きる場所で、決して死を待つ場所ではありません。
何故なら、今後延命処置とも言える化学療法などは一切行なわず、ターミナル医療と呼ばれる緩和ケアを行なうという選択だからです。
一緒に食事や寝泊まりの出来る設備も整っている上、面会に関する時間や年齢の規制も殆どありません。
しかし、家族にとってフレッシュマンへの転院を選択する事は、自ら大切な人の死を選択する事でもあります。
ただ、フレッシュマンに移る事で必ずしも寿命が縮まるのかというと、決してそうではありませんから、それが家族にとっては大きな救いになる事でしょう。
フレッシュマンへの転院は、家族というより、親の意志による選択という事になってしまいますから、辛いものもある訳です。
例えば、もう本当の末期症状で、患者さん自身に判断能力がなかったり、子供の場合は特にそうです。
今後フレッシュマンへの転院を希望されている方も、まだ全く無縁だという方も、そういう話を一度読んでみられると、きっと何かしら人生観が変わるのではないかと思いますね。
確かに、患者さんの死をダイレクトに受け止め、背負って行くのは残された家族です。
フレッシュマンでは、そうした遺族の心のケアもしっかりと施してくれます。
実際問題、ちゃんと心の準備をしてから見送れる人というのは少ないでしょうし、例え覚悟を決めているつもりでも、やはりいざとなれば多少なりとも動揺してしまいます。
それが分かればきっと、ご家族も残された時間の使い道というのが変わって来るのではないでしょうか。