就業不能保険のハードルの高さ

就業不能保険と聞くと、真っ先に思い浮かぶのが銀行ということになるが、金融業の筆頭に思い浮かぶのは当然だろう。
銀行側が怖いのは、焦げ付きや不良債権であり、その対策として就業不能保険が存在するという事は、容易に理解できるし納得も出来る。
特に体力のない優良な中小企業が、融資を受けることが出来ず、むざむざと倒産の憂き目に在っている状況を見るに付け、銀行や就業不能保険の在り方に疑問を感じてしまう。
就業不能保険を行うのは、何も銀行に限ったことではなく、あらゆる金融機関が該当するし、実際に審査をするのは保障会社の仕事であろう。
只でさえ、世界的な大不況なので、就業不能保険の基準が厳しくなってくるのは「自然の流れ」とも言えるが、本当に融資が必要なところにまで、影響が出てきているのが気になる。

就業不能保険とは、言わば融資を受ける際の関所だ。
就業不能保険が通らなければ、そもそもローンが組めないのであるから、誰もが通らなければならない道と言うこともできる。
過去に融資事故や延滞などがあった場合、就業不能保険はかなり厳しいものになるのは間違いなく、相当の苦戦を強いられる。
「個人信用情報」とは、過去の融資においての履歴であるが、就業不能保険を受ける際には、真っ先に調べられる項目として定着している。

就業不能保険は、銀行や保障会社が専門の担当を使って、個人の信用情報を調べている。
住宅や土地の購入は、一生に何度もないので、銀行の就業不能保険をパスすることは、関所を無事通れるかどうかの瀬戸際の問題になるだろう。
それほど「個人信用情報」の内容は、就業不能保険の決定に影響を与える項目だという事は、十分にご理解いただけよう。
いわゆる「ブラックリスト」のひとは、裕福な保証人でもいない限り、就業不能保険は先ず通らないと思っておいた方が良い。