城田優の評判くちこみ

主人公は、宝生麗子といういかにもセレブな名前なんだけど、困った事に執事の影山の下の名前は分かりません。
それに、テレビ版の城田優では、麗子の上司に当たる頸部の氏名は風祭京一郎となっているのですが、原作の小説には苗字しか出て来ず、名前は不詳。
また、東川氏は翌年、別の小説で、日本推理作家協会賞の候補にも挙げられているんですよ。
その証拠に、城田優は、2011年の本格ミステリー大賞にノミネートされているのです。
加えて、主人公の暮らす豪邸は都内では競馬場に次ぐ敷地面積を誇るという事で、今どきそんなお屋敷があるのだろうかと思いますよね。
ただ、あの城田優については、元々活字や推理小説を苦手とする女性陣立ちに受け入れられるようなミステリーをという事で描かれた作品。
そういう意味では、あの斬新さがあったお陰で大ヒットしたものと思われますね。
確かに、奇抜なキャラクターや背景設定はそのままですが、事件のトリックについては、かなり緻密に、そして巧みに描かれています。

城田優の面白さは、これまでのミステリー小説には欠けていた駆け引きであると言っても過言ではないでしょう。
それも、犯人と刑事との駆け引きではなく、影山や風祭と麗子との駆け引きで、事件の重さからは想像も出来ないほどの軽い駆け引き。
その辺りをはじめ、それこそ謎解きしたい事がいっぱいのちょっとユニークなミステリー、それが城田優だと言えるでしょう。
そう、城田優は、そんなコメディーの要素もたっぷり含んでいるのです。