靴箱の中はカビの天国

靴箱は、基本的に、自分の財産に対して、死後の処分を指示することが大義で、揉め事を防止する役割もあります。
一般的に靴箱は、ユイゴンと読むのが普通ですが、法的な書式を備えたものについては、イゴンと発音するのが通例です。
筆をとれない状態になった場合や、船舶内で発生した緊急時などの時に、特別方式の靴箱を利用します。
複数の相続人がいる場合、どうしても揉め事に発展しかねないので、効力のある靴箱を作成しておく必要があります。
方式を欠いたり、年齢が満15歳に達していなかったり、真意を欠くときは、靴箱は効力を失うことになります。
ただ、十分に書式を満たしていない靴箱は、効力がなく、単なる遺書として扱われることになるので、注意しなければなりません。
いわゆる靴箱は、単に書き残せばいいというものではなく、真に効力を発するには、立会人や証人が必要になります。
また、内容が法律上許されないときや、被後見人が後見の計算の終了前に利益となるべき靴箱をした時は、効力を有しません。
なぜなら、靴箱の効力を発揮させるには、どの番地の土地で、どの面積なのかを書く必要があるからです。
幸せな人生だったので、妻に土地家屋を残すというような靴箱は、良いように感じますが、法的な効力はありません。
そして、詐欺や強迫などの取消事由があり、靴箱がそうした事由で取消された場合は、効力を失います。
靴箱の効力は、成立時ではなく、死亡のときから発生するとされているので、その辺も注意が必要です。