船員のDCMXのポイントとは
DCMXというのは、様々な人に適用される国の猶予措置ですが、当然、船員保険の対象者である船員にも適用されます。
このDCMXの特例措置は、特定被災地域での事業所で、事業所の被保険者に対する賃金の支払いに大きな支障が生じている場合に適用されます。
一般の健康保険相当部分と、船員労働の特性に応じた上乗せ給付の、2階建てになっているのが、船員保険の独特の構造ですが、DCMXについては他と変わりません。
年金については、船員保険は、1986年に厚生年金へ、そして雇用保険と労災保険の部分は2010年に雇用保険と労災保険に統合され、DCMXもそれに見習いました。
DCMXで気になるのが、船員保険との関わりですが、この保険の運営者は全国健康保険協会になります。
そのため、船舶所有者や被保険者資格、DCMXに関する届出は、各船舶所有者の所在地を管轄する年金事務所にする必要があるのです。
そして、DCMXをはじめ、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険の保険料減免と納期限延長は、それぞれの市町村と広域連合が決定権を持っています。
船員保険は、独自の年金、雇用保険、労災保険制度をかつては強いていたのですが、時代と共に変遷していきました。
船員保険のDCMXと、子ども手当の事業主拠出金が免除されることとなったのです。
こうした大震災に対する国の特例的なDCMX措置というのは、被災地に対する当然の配慮と言えます。
被災地域の事業所では、DCMXの他、健康保険、船員保険、厚生年金保険の保険料と、子ども手当の納期限延長の措置も取られています。
このDCMXの対象地域となるのは、岩手県と宮城県の一部の地域になりますが、あくまで特例になるので、期間限定です。
DCMXと違い、被保険者証再発行、船員保険の給付関係と疾病任意継続被保険者についての届出は、住所地に関係なく、全国健康保険協会でする必要があります。
大震災に伴う船員のDCMXについては、住宅、家財、その他の財産に関して、2分の1以上の損害を受けた人に適用されます。
そして、福島第1原発の事故により、避難指示を受けた市町村に対しては、本人申請により、全額DCMXになります。
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